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2007年6月13日 (水)

本当にあったこわい話

Maria_3第6回 竹洞組前夜⑥

鬼畜系Vシネマを7本撮った後、山内大輔監督は1年半ほど新作が撮れなくなりました。
きっとキャストやスタッフ達の生き霊が取り憑いていたのでしょう。
当時は山内組にしか出てなかったサーモンも、当然開店休業状態になりました。

ところが2002年・夏。
山内監督は突如ピンク映画界に参入します。
久々に会った彼は、自慢の金髪ロン毛をバッサリ切って黒髪になっていました。
ようやく真人間に戻る決心をしたのかと胸が熱くなり、僕は出演を快諾しました。

しかし僕と山内監督のピンク映画デビュー作『夢野まりあ 超・淫乱女の私性活』は、またもや呪われた展開になりました。
僕が呪われていたわけではありません。監督が呪われていたんでしょうね。

僕は公園でヒロイン(OL)の背後に現れ、 「だあーれだっ」と目隠しするセクハラ課長の役。
さほど重要なシーンではなく、2日目だけの出演で、絡みもありませんでした。

撮影初日の21時過ぎぐらいでしょうか。 チーフ助監督の城定秀夫氏から電話がかかってきたのは。
声のトーンからただごとではない事態だと判りました。

「今日予定してたシーンがほとんど撮れなかったので、台本通りに撮るのは現時点で既に無理。
内容大幅に変わります。台本これから直します。セクハラ課長じゃなくなります。
何の役になるかはまだわかりません。とりあえず予定通り来てください」

あの・・・ものすご~く不安なんですけど・・・
僕は電話を切ろうとした城定氏に慌てて訊ねました。
「城定さん、衣裳は・・・衣裳は?!」

城定氏は、全く想定外のことを訊かれたかの様子でした。
「・・・スーツで・・・いいかな・・・」
スーツでいいかな、って・・・エキストラだってフツーは衣裳指定されるのに・・・
僕は鈍器で後頭部を殴られた気がして、それ以上何も言えませんでした。

一時間半後、今度は山内監督から直々に電話がかかってきました。
やはり声が疲れ果てていました。

「今日予定してたシーンがほとんど撮れなかったんで、台本通りに撮るのは無理。
内容大幅に変わるから。台本これから直すから。セクハラ課長じゃなくなる。
何の役になるかはまだわからないな。とりあえず予定通り来て」

僕は電話を切ろうとしたY監督に慌てて訊ねた。
「監督、衣裳は?! スーツでいいの?!」
「・・・大丈夫かな・・・大丈夫だね・・・」

オイオイ、不安だな!
ここまでくると僕も腹をくくるしかありません。
しかし集合時間は早朝。あと数時間で改訂台本はホントに上がるんでしょうか?

数時間後。
集合場所に監督と城定氏が並んでやってきました。
あの時の2人の顔を僕は一生忘れないでしょう。
あれこそ、生ける屍、リビング・デッドの表情でした。
新宿のカプセルホテルで、2人で寝ずに台本を書いたんだそうです。

渡された台本は明らかに清書などしていない、キッタネー字の走り書きでした。
僕は小金井という役名こそそのままでしたが、いつの間にかランパブの客になっていました。
もちろん元の台本にはランパブのシーンなどありません。
それどころか香盤表すらなく、撮影する順番も監督と城定氏が行きあたりばったりで決めてました。

なぜこのような事態に陥ってしまったのでしょうか。
初日にいなかった僕は又聞きでしか知りませんが、どうやらある方が「スタジオに霊がいる!」とか言い出したり、奇妙な言動を繰り返したのが原因のようです。
ていうかこれ以上書けません。

控室で、竹洞組などで何度も共演することになる柳東史アニキ、そして(横浜)ゆきさんと「この作品、どうなっちゃうんだろう?」なんて話をしました。
柳アニキとは初対面でしたが、僕のことを知っていたのに驚きました。
山内Vシネのオーディションを何度か受けたことがあり、作品をよく観ていたそうなのです。

柳アニキは、残酷Vシネによく出ていた僕のことを「残酷役者」と呼びました。
僕は「何なんだこの人は」と思いました。

後に(脳)ミタカ商事という奇妙な脳内企業を一緒に旗揚げすることになるとは、夢にも思いませんでした。
柳アニキには世話になってますし、役者としてはリスペクトしてますが、人間的にはどうかと思う部分もあります。

・・・こんな締めにするつもりじゃなかったので、次回に続きます。

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