« 昨日・今日・いつまで・いつまで? | トップページ | インタビュー・雨男・イントロ・念仏の鉄 »

2007年5月31日 (木)

ふるえる・人妻の秘密 覗き覗かれ顛末記

Matsuura02第3回

お元気ですか?
役者としてより、ヒモとして生きている時間の方が多い松浦です。
暇な役者ほど手に負えない存在は無いものだと痛感する日々であります。皆様、いかがお過ごし?

昨日、山本剛史先生と飲んでいたのです。
剛史先生は言わずもがな変態で、あたくしにとって数少ない同業者の友達なのです。

剛史先生は「ゆれる」に大変感動されたらしく、生まれて初めてDVDを購入されたと熱弁をふるっておりました。
剛史先生は香川照之氏の芝居に憧れ、留置場でオダギリ氏と面会するシーンをやりたいと無茶な事を言い始めました。
同席していた山下氏や向井氏を巻き込み、「ふるえる」という短編を山下組でやると、勝手に企画しておりました。
剛史先生の話では、香川氏と蟹江氏を剛史先生が演じ、オダギリ氏と伊武氏をあたくしが演じるという事でした。
一人二役でやりたいシーンを勝手にパクるというやりたい放題であります。(あたくしは伊武氏が新聞紙を干しているとこがやりたかったわけであります。)

翌日、酒の席でのたわ言だと思っていたら、剛史先生から1行だけの力強いメールが来ました。
「ふるえる」実現させよう、と。
なるほど、剛史先生は既成事実を作っちまえばこっちのモンだ作戦に打って出たわけであります。
方々にこの話をして、いつの間にか実現させようというなんとも虫のいい作戦でありますが、剛史先生の忠実な僕のあたくしは早速この作戦を実行したわけであります。
暇な役者ほど手に負えない存在は無いわけでして・・・。

えー。枕がだいぶ長引きましたが、前回は竹洞哲也大監督との出会いを書いたわけで。
今回は竹洞組第一回作「人妻の秘密 覗き覗かれ(PEEP SHOW)」について書こうかと。
・・・思ったのですが、あたくしこれ、よばれてないのでした。はい。

ただ、ワンシーン一瞬出ているわけで。下北沢のバーでの群集シーンであります。
確かあの日は前日、加藤義一監督と下北で朝まで飲んでいたのであります。
サウナで起きたあたくしに加藤氏が囁きました。
「今日、竹洞君がナマイキにオシャレの町下北で撮影してるよ。一丁前にエキストラ集めてるらしいけど、邪魔しに行く?」
あたくしは勿論「竹洞さんもデビュー作で気合が入ってるでしょうから邪魔するのは良くありませんよ。大人しく見守ってあげましょうよ。」なんて言うはずも無く「あの野郎、あたくしに声もかけずに撮ってるだと!しかもオシャレの町下北で!青森出身で初めて渋谷に来た時にあまりの人出に驚いて『今日はお祭りでもあんですか?』とほざいた男が、ナマイキな!行きましょう、行って現場ぶち壊してやりましょう!」と、撮影現場に乗り込んだのであります。

現場では、スタッフが慌しく準備をしていました。
あたくしも元制作部、一緒に手伝って現場を手際よく進めよう。なんて思うわけがありません。
現場で悩んでいる振りをしている竹洞哲也に、あらん限りの悪態をつき、加藤氏が引くくらい現場の雰囲気を壊す事に励んでいました。
先輩役者のなかみつ氏をはじめ多くの方が現場にいましたが、撮影が始まってもあたくしの悪戯心は収まらず、方々からあたくしへの心無い誹謗中傷が聞こえてくるくらい現場の空気を荒ませる事に成功したのであります。
(あのシーンではあたくしを呼ばない竹洞哲也への嫌がらせで、意味も無くケツを出した記憶があります。この嫌がらせは素晴らしいカメラマン紀野氏の機転で、あまりフレームには入っていないようでしたが。)

あたくしの暴れっぷりに、東北人特有の気の長さを持った竹洞哲也もブチ切れたのでしょう。
突然「おでのさぐひんをこあすでねえ!!(僕の作品を壊さないでください)」と叫び、傍らにあったビール瓶を振り上げあたくし目掛けて襲い掛かってきたのであります。
あたくしも昔は「東村山のドラガン・ストイコビッチ」と恐れられた男です。
近くにあったセンチュリー(ライトを立てる脚)を振り上げて、迎え撃ったのであります。
ビール瓶とセンチュリーではリーチが違います。
あたくしに滅多打ちにされた竹洞哲也は、泣きながら土下座して自己批判を始めたのです。
「つぎがあったらよぶっけ、ゆしでけっさい(次回作は必ず松浦先生にお声をかけさせて頂きますので、何とぞお許しください)」という言質を取り、あたくしは意気揚々と現場を後にしたのでありました。

ちなみに、この日初めて脚本家の小松氏と会っていました。
ご挨拶させて頂いたのですが、あたくしの印象は推して知るべしであります。

と、ここまで書いたところで例の剛史先生から電話がありました。もちろん「ふるえる」の件であります。
「山下が撮らなきゃいけないくらい追い込もう。まずチラシを作るのだ。近いうちスチール撮影するぞ!」
(ちなみに「ふるえる」のほかに「世田谷バイス」の企画の話も出ました)

やはり暇な役者は怖いのであります。

(写真は『夏の影、踏んだ』の撮影風景)

|

« 昨日・今日・いつまで・いつまで? | トップページ | インタビュー・雨男・イントロ・念仏の鉄 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/403230/6616405

この記事へのトラックバック一覧です: ふるえる・人妻の秘密 覗き覗かれ顛末記:

« 昨日・今日・いつまで・いつまで? | トップページ | インタビュー・雨男・イントロ・念仏の鉄 »